北杜市は年間を通して日照時間が国内でもトップクラスの長さです。この利点を活かして数年前から太陽光発電安定化実証研究が実施され、研究が終了した今年4月からは北杜市営太陽光発電所として電力を供給しています。
この太陽光発電所(写真下)は約10haの敷地に国内外製のソーラーパネルが多数敷き詰められていて1800Kwの電力を発電しています。
東日本大震災で発生した巨大津波で福島第1原発が甚大な損傷を受けて広範囲に放出された放射線による健康被害が心配される中で、俄かに原発全廃が議論されて自然エネルギーの利用とりわけ太陽光発電が脚光を浴びています。
そこで、原子力発電を太陽光発電に置き換えることが可能なのかを数字で追いかけてみました。以下の計算値はあくまで概算であることを予めお断りしておきます。
福島第1原発には6基の原子炉があります。定格出力の合計は468万Kwで1基当りの平均出力は78万Kwとなります。
これだけの電力を国内トップメーカーであるS社の最新で最も発電効率の高いソーラーパネルで発電するとなれば10平方Kmの面積に敷き詰めなければなりません。
従って6基では10平方Km x 6 = 60平方Kmの敷地が必要になります。しかし太陽光発電には夜間や雨天時には発電出来ないという基本的なマイナル要因があります。仮に夜間の消費電力を昼間の50%と見積もると、この分も昼間発電して蓄電池に蓄えておくことになるので、必要な面積は60平方Km x 1.5 = 90平方Kmとなって山手線内側の面積63~65平方Kmよりも遥かに広くて平坦な敷地が必要になります。
しかもこの数値はソーラーパネルを隙間無く敷き詰める非現実的な机上の計算なので、実際にはメンテナンス通路や蓄電池収容施設,管理施設などのスペースも考慮すると更に20%程度は増えるものと予想されます。
全国にある54基の原発全てを廃止して太陽光発電に置き換えるには果たしてどれだけの敷地面積が必要でしょうか。単純計算ですが佐渡ケ島(855平方Km)全体にソーラーパネルを敷き詰めることになりそうです。想像できますか?
別の例として風力発電の場合も計算してみました。
現在最大の風力発電機の定格出力は1台2000Kwと言われています。従って原発1基に相当する風力発電機は390台ですから福島第1原発6基分だけでも2340台が必要になります。果たしてこれだけの風力発電所を設置できる適所があるのでしょうか。こちらも非現実的と言わざるを得ません。
最後にもう一つ悲観的な話しを付け加えましょう。
政府は国民に節電を要請しながら一方では電気自動車(EV)の普及を奨励しています。東京電力の地域内には2000万台の自動車が登録されていますが、その1/4の500万台が電気自動車に置き換わったと仮定して計算してみました。充電は供給電力に余裕がある夜間に行われるとして1台が週に1回,1.5Kwの電力を使うと毎晩100万Kwの電力が今以上に必要になるので、原発を廃止するどころか逆に原発1基以上を増設しなければ賄えないことになります。政府は節電と増電という相反する矛盾した施策を推し進めようとしているのでしょうか。
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